生活在新加坡

シンガポール在住。会社員です。日々思った事を綴ります。毎月1日+気が向いたら更新予定です。(最近は1、10、20日に更新しています)

自由競争で切磋琢磨するシンガポールの幼稚園と、補助金漬けになっている日本の幼稚園

シンガポールの早期教育は生後18ヶ月からとされています(義務教育ではありません)。小学校に上がるまでの保育園・幼稚園に当たる教育機関はECDA(Early Childhood Education Agency)という政府の機関が管理しています。

 

EDCAのウェブサイトで希望の場所、子供の年齢、月謝の範囲など条件を入力すると園のリストが出て来ます。各年齢別(生後2ヶ月から7歳未満まで)のクラスに空きがあるかどうかも分かります。

 

園の数が豊富にあるので、日本のように入園出来ないという事がありません。

 

日本の保育園事情についてちょっとだけ調べてみたところによると、日本は認可保育園というのがあって、その認可の中では同じ園に通っていても世帯の収入に応じて各個人の月謝が違うという事。

 

園同士で価格やサービスの競争が起こらない仕組みになっている。つまりサービスが違うから値段が違うのではないから、サービスや価格を競うような環境ではないのです。だから補助金の額が増えないと園が増えない。こういう事なんですね。

 

シンガポールでは、各園がそれぞれ独自の月謝とそれに見合うサービスを提示して、親は経済状況に合わせて園を選ぶだけです。
下は政府系幼稚園の月600ドル(約4万8千円)から2000ドル(約16万円)超まで、様々な園があります。

 

そしてワーキングマザー手当として月300ドル(約2万4千円)月謝の補助が出るので、安くて月300ドルほどに抑えられ、働く人ほど得をする制度になっています。

保護者への直接支給ではなく、学校側が手続きすると300ドル割引される制度なので補助金が教育費以外の事に使われる事がありません。

 

月謝が300ドルから2000ドルの幅があったら、月謝が安い方に申し込みが集中するかというとそういうわけでもありません。やはり高いには高いなりの理由があるし、それぞれに園で園児獲得のために自由にサービスを競争しているので、価格はニーズに合わせて適度な勾配を保っているのだと思います。

 

日本の保活の話と保育園を増園しにくいシステムの話を聞いていると、もう詰んでるなとしか言いようがありません。


自由競争でもなく高福祉国のように無料でもなく中途半端な仕組みでにっちもさっちも行かなくなっている。

 

日本が高福祉社会を目指すんだったら、待機児童が全部入れるほどの予算を取って全園無料化するべきだし、そんなお金はないんだったら国民が貧しくなる前に園同士自由競争させて、運営だけで利益を出せる園を育てる市場を提供すべき。

 

利益を出せる園は良い教員が育つし、教員の給料が上がればより優秀な人が早期教育を目指すようになります。


補助金漬けで競争もなく低賃金で要求と責任だけは高い仕事をさせていたら、大事な将来を担う子どもたちを育てる人材が育つはずがありません。

 

日本は保育園や幼稚園は、母親が面倒みるべきところ園が代わって見ているという意味合いが強いように思いますが、シンガポールでははっきりと早期教育であると明記されてあります。これは子供が教育を受ける機会であると。

 

子供にとってもメリットがあるし、働く親も早く職場復帰出来るので社会にとってもメリットがありwin-winである事に疑問を呈す人もいません。何のわだかまりもない。

 

待機児童・保活問題も振り返ったらあれはなんだったんだろうねという時代が早く来て欲しいです。