独身から結婚まで
30代の前半までは、独身でいる事も一人で行動することも楽しくて仕方なかったけど、30代後半のある日突然一人でいる事が心底嫌になった。
映画も旅行も買い物も一人で行って当たり前だったのに突然その全てが嫌になった。何故かは分からない。昨日までは大丈夫だったのにという感じで突然来た。
突然といっても、留学して人生初の下宿生活で他人と暮らすことの楽しさを知ってしまってからは、日本に帰国してもシェアハウスに住んでたりしたから、一人でいたくない下地はじわじわ出来てたんだと思う。
シェアハウスで共同生活でも良かったんだろうけど、みんなと一緒に年取って行く人生が想像できなかったから、これが最終形じゃないなと思った。
それは結婚したいという気持ちとも違って、誰かと経験を常に共有して生きていきたいという気持ちに近い。
旅行行くなら見知らぬ土地より友達を訪ねる旅をしたい、映画を観るなら自分の好きなアート系映画じゃなくて大衆的なみんなが好きそうな、見終わったらわーわーくだらない感想を言い合えるような映画が観たい。そういう風に変わって来た。
結婚はその過程の途中にあれば良いし無くても良い。とにかく人と一緒に暮らし経験を話し分かち合えるそういう人生を生きたいと思うようになった。
なので婚活的な相手探しを始めた。女友達じゃない気がしたので、異性の気の合う誰かを探しに奔走した。周りにパートナーを探している事を宣言し、とにかく友達を増やすための習い事、イベント、食事会なんでも行った。
家に帰ると一人の夜は寂しくて泣いてしまうから、とにかく予定を入れまくって人に会いまくった。結果今の夫と会い結婚することになる。
夫は初めから不思議と話が無理なく続く。とにかく無理せずにいられて居心地のいい人でした。
正直に言うとあまりタイプではなかったのですが、一緒にいると「ああ、大事にされるってこう言う事なんだなぁ」とじわじわくる感じでした。
これまでモテそうな人は、浮気されそうだし私じゃなくても良いんじゃないかと思って避けて来たので、夫も結構引き気味に対応していたんです。典型的なダメンズ好きな人だったわけです。でも全く向こうが引いてくる気配もなく、この誠実さはまさか本物?と思ってから好印象に一気に変わりました。
結婚までトントン拍子で事が進んでから、自分のこれまでの過去を振り返ってみると「ああ、あの時のあの人とは結婚に至らなくて良かった」とか「浮気しなさそうと思ってブサメンの変わり者と付き合ってたけど、見かけは関係ない。浮気する人はいけてなくてもする」とか昔の自分に教えてあげたい事はいっぱいあります。
30歳過ぎての婚活で好きな人からは好かれず、タイプじゃない人からは好かれる、という人は、まず自分を好きになってくれる人を好きになってみるところから始めたらどうかなと思います。
私の場合はこんな事いうと後ろから刺されそうだけど、イケメンのお金持ち=浮気をする悪い人あるいは退屈な人と思っていて、よく考えたら昔から好かれたのはそのタイプばかり。若い頃はその良さが分からなかったんだなぁ。
夫を第一印象で切らずに粘り強く付き合ってみる事で良い面が見えて、結果一緒に暮らす事が出来るようになって本当に良かったと思っています。
結婚するとかしないとかはどっちでも良いと思いますが、もし生涯のパートナーを見つけたいと思うのであれば、私は妥協する必要もないし嫌だなと思う人と付き合う必要もないと思います。
相手がいない時は、自分が高望みなのかとか少々嫌でも自分が合わせた方がいいのかとかいろいろ考え過ぎていました。
結局合う人というのは、自分に良く似ていてお互いに相手が唯一の存在だと思い合える人との組み合わせの問題なんだと思います。合わないのは自分のせいじゃない。組み合わせが間違っているだけなんで次に行きましょう。
なのでパートナーを探している人は、見つからなくても自分は駄目な人だと落ち込むのではなく、地球上のどこかに自分にそっくりの人や運命の人がいると信じてひたすらその人に出会えるまで人に会い続ける事が大事だと思います。
一人が楽しい人はソロ生活の謳歌もありだし、同性カップルもどんどんカミングアウトしたら良いと思う。一回きりの人生だから自分の幸せには貪欲に。人の幸せには干渉しない。