生活在新加坡

シンガポール在住。会社員です。日々思った事を綴ります。毎月1日+気が向いたら更新予定です。(最近は1、10、20日に更新しています)

シンガポールのセイフティーネット

資産をチャリティー基金で運用すると前回書きました。

 

これまでシンガポールはパワーカップルが生まれやすい、夫婦で手を取り合って収入を最大化、と言ってきましたが、ではパワーカップルではなくウィークカップル(そんな言葉あるのか?)はどうなるのでしょうか?同じ者同士が結婚しやすいという事は、身体や精神・経済的に不自由な人も同じ境遇の人とくっつきやすいという事でもあるはずです。

 

シンガポールは都市国家として繁栄を維持するため、高福祉社会にはならないと明言しています。家族でのサポートを強化したり安価な住宅の提供によってホームレスをゼロにするという、家族や共同体に福祉の一端を担わせるような方針です。

 

実際は精神疾患や家族内の問題で家に居られず、住む場所が与えられていても野宿する人は一定の割合でいます。

 

シンガポールで下層に位置する生活の人は相当厳しいと思います。そしてその家族、親戚みんな貧しい可能性が高いし、必要最低限の暮らしが守られる日本のようなセイフティネットはありません。

 

チャリティー基金について調べてみると、年間数十億円の収入がある大規模なものから、設立資金数千万円の小さいものまで様々。火事に柄杓で水をかける程度に効果しか無いのかもしれないけど、そういったチャリティー団体が最底辺の暮らしの人を支えているような状況です。

 

そういう状況を俯瞰してみると、上層のお金を稼ぐパワーがある人たちの一部が、個人的に基金を設立し税を介さずに運用利益を直接最下層へと届ける。そういうシステムが出来上がっています。


日本も多分そう。上流の一部の人はそうかもしれないけど、中の上で突き抜けてそこまでやれる人の数はすごく少ないように思います。せいぜい買い物や食事で散財してtrickle-down効果だと言うくらいのものでしょうか。
あるいは日本は税を回収して富の分配を社会保証として政府主体でやっているので、国民の当事者意識が低いのか。

 

なので日本で力がある人は是非社会を変えるほど成金になりきって欲しいです。お金を稼ぐことに罪悪感を覚えず、むしろ大体の事はお金で解決出来るのだから、力のある人が効率よくどんどん稼ぐべきだと思います。スキルの無い人が、身を粉にして健康を損なうほど働いて手にするお金を、その何分の一かの労力で得られるのであれば。そしてその利益を買い物や食事の支払いだけでなく社会に直接還元する。
贅沢をするだけであれば常にお金を持つ事には罪悪感がつきまといます。

その道を選ばないのなら、みんな揃って貧しくなるしかないのかなと思います。