シンガポール華人の金銭哲学
夫はシンガポールの華人ですが、彼の金銭に対する哲学を見ていると学ぶ事が多くあります。
始めに私はお金を貯める事は得意だと書きましたが、使い方を知らなかったというのは夫と一緒に暮らし始めて初めて感じました。
貯まっていたのは単に使ってなかったからなんですよね。
夫が預金をしない人と言いましたが、資産を分散するという意味で現金を様々な形に変えて持っていると言った方が良いかもしれません。
例えば私はこれまでブランド物のバッグや高価な時計など一切持っていなかったんですが、結婚してからは主人から貰ったり義理の母から譲り受けたりして高価な物を持つようになりました。
彼らは「買うならばなるべく価値の下がらない物を買いたい」という事なんですね。そしてメンテナスをしながら大事に使って、次の世代に譲る。その方が数万円の物を買っては使い倒すよりも、価値が長持ちすると。
アクセサリーもデザインよりも素材。金は鉄板です。プラチナや銀より価値が安定しているしコスパが良い。
時計も電池よりも自動巻か手動。素材は金。みたいな。より普遍性のあるものが重宝される。
買い物をするというより、現金を価値あるものに換金している感覚。
そして支払いはどんなに少額でもクレジットカード。少しでもポイントが貯まるように。
日本に帰った時にアクセサリーを見ると、デザイン重視で素材はイマイチ、でも価格はそれなりという、華人から見たらゴミのようなものが沢山あって、人生観が変わると見え方も変わるなぁと妙に感心したものでした。可愛くて欲しくはなるけど、ついついどのくらいの価値があるのか考えてしまう癖が付いてしまってますます買えない。
それでも鞄は蹴られたり踏まれたりした時に相手を恨みたくなるような物は使いたくないので、日常一番使っているのは無印のナイロンバックです。洗えるし丈夫。内側を縫って補強しながら10年以上使っています。
ただしバッグや時計や金などは、資産運用としてはデッドエンド。支出のメインは資産を生み出す不動産や株などへの投資になります。
車はお金を捨てるようなものなので、買うならなるべく下取り価格が高い1500万円ほどの中堅の高級車がシンガポールでは人気です。