ワンランク下の生活を目指して
シンガポールに住んでいると、日本にいる時よりも上には上がいることをひしひしと感じます。
日本の富裕層はひっそりと目立たず暮らしていて、狭いコミュニティの中で産院、幼稚園から大学、系列会社への道を同じような生活環境の人に囲まれながら粛々と生活している感じ。歴史とか家柄とかそういう大きな壁に守られていて、ぽっと出が入り込む余地は無い。
シンガポールはどちらかというとお金さえあればそういう壁はぴょんと飛び越えられる。でも登って行く先が見えないくらい遠くまで延びている。
なので隣の庭の芝が青い事が気になり、ガムシャラに働いて青い芝を手に入れたら、今度は隣の人の乗ってる車のグレードが気になる、みたいな。終わりのない世界。
私の歩いてきた道もそうだった。独身だと、彼氏はいるの?結婚しないの?
結婚したら、子供はまだ?
子供が出来たら、二人目はいつ?
育ってきたら、学校はどこに入れる?
学校に入れたら、成績が心配。
卒業したら、就職はどこ?
独り立ちしたら、結婚はいつ?…。
周りと比べるときりがない。
結婚しないと思っていたけど、運良く素晴らしい相手に出会い、子供はもう無理かと思っていたけど、幸運にも一人授かり。はっきり言ってもうこれ以上幸せな事ってあんまりない気がしています。個人の幸せにフォーカスすると今持っているものに満足するだけで至って幸せなんですよね。
経済的な事で言うと、20代の頃はワンランク上の生活に憧れたりしたけど、本当の幸せはワンランク下の生活を楽しめるメンタリティにあるんだと思います。
なので、高級レストランに行ったり5つ星ホテルに泊まる事よりも、近所の露店の餃子が美味しい事を発見する方がよほど嬉しい。つまらん人生ですが、激流の中泳ぎ切って凪の海にたどり着き、今は手足をだらんとしてプカプカ浮いてる。そんな感じです。
人と比べない。今持っているものに満足して感謝する。言い古された事だけど、本当ですね。