子育て経験が明らかに不足している国、日本
日本に一時帰国した時に、一番ドッキリするのは電車内の広告とコンビニの成人雑誌です。電車では半裸の子供のような少女たちが官能的なポーズでにこやかに笑い、コンビニでは全裸の女性が苦悩している雑誌の表紙が整然と並べられている。
唖然とする、としか言いようがない。
子供も利用する公共の乗り物やコンビニであっけらかんとそういうものを陳列している感覚が信じられない。
日本にいた時はおかしいと思いながらも、日常の風景に溶け込んでいたのに、シンガポールに住んで日本にたまに帰ると尚更強くショックを感じます。
この国の人は子供と女性を性的に搾取する事に鈍感なんだろうなと思います。無自覚にやっちゃっているところが恐ろしい。
細かい事で言うと、ファッション雑誌でも何でもない経済情報誌などの雑誌に突然現れる「街で見かけた素敵な笑顔」的な素人女性のスナップもかなり異様。
女性で若くて美しいという事が価値になるという事が当たり前になってしまっているし、撮られる方も嬉しそうにしているのも気持ち悪い。
時の人でも犯罪者でも女性だというだけですぐに美人すぎるだ何だという形容詞がついて説明されるのも、「また外見か」とうんざりする。
私が子供を産んで大きく変わった事は、女性と子供に対する暴力にこれまで以上に敏感になった事です。男性に対する弱いものいじめのような暴力にも強く怒りを感じます。
人を叩いたり馬鹿にしたりして笑いを取るばかばかしいテレビ番組が全く面白いと思えなくなったし、自分の子供だけじゃなく全ての子供が可愛くて仕方なくなったりも大きな変化。
ちなみに私は子供産む前までは子供苦手の子供嫌いでした。
だから180度世界観が変わりました。とにかく子供の事が一番大事。この子たちが無事に幸せに育って行く事が一番大事。そういう感覚が揺るぎなくなった。
子供いなかったときは子持ちの人がそういうのを聞いて「はいはい、またか」と思ってましたが、こればかりが経験しないとわからないほどのドラマティックな変化。
下ネタを堂々と流すCMや、何度も性犯罪の過去があるのに教員として採用される人とか、海外から日本のニュースを見ていると絶望的な気持ちになるばかり。
これって日本人に子育て経験や子供と触れ合う経験が少ないからじゃないかなと思ったりもします。
飲食店での子供お断りもしかり。
シンガポールでは未婚の人も子供がいない夫婦も、親戚の子供を世話する事が頻繁にあるせいか、多くの人が子供に優しい。
子供が苦手でもある程度の時間を子供と一緒に過ごす事で、好きにならざるおえないパワーが子供にもあると思う。少なくとも自分はそうでした。
なのでみんなで子育てするというのは長い目で見るとすごく社会に良いインパクトをもたらすと思います。子供に対する暴力に敏感になり、性的な描写にも子供が見たらどうだろうと思う視点が入って来るから。
女子高生を売り物にしたり、そういう事を平気でする大人が結構普通の善良な市民であったりするのが日本の怖いところだと思います。