生活在新加坡

シンガポール在住。会社員です。日々思った事を綴ります。毎月1日+気が向いたら更新予定です。(最近は1、10、20日に更新しています)

今はバリキャリ夫婦だけど本当は楽をしたかった

夫婦で共働きしているとずっと書いてきました。

 

シンガポールでは当たり前だし、逆に結婚してパートタイム勤務や専業主婦になるというと家族から相応の理由を求められます。家事や子育てが〜という理由では「自分はメイドと結婚したんじゃない」と言われ誰にでもできる仕事は外注すれば良いじゃないかという考え方です。これがシンガポールで一般的というより少なくとも我が家ではそうです。

 

私は結婚前も結婚・出産後もフルタイムで働いていますが、じゃあ始めからそのつもりだったかというとそうではなく、薄っすらと結婚したら自分はパートで…と考えていました。
そうすれば家の事も出来るし働く事で家計の足しにもなる。

 

しかしこのうすぼんやりした夢は、結婚後バッサリと断ち切られました。


今の私の給料で定年まで働くとこれくらい稼げるというのは簡単な計算で出ます。夫側の視点から見ると、パートタイムで働く事や専業主婦になる事は、みすみすその手に入るはずだった生涯年収を逃す事になる。なので余程の理由がない限りはフルタイムで働く事を期待していると。家事が大変ならメイドを雇う事も出来るし、メイドを雇う出費とパートタイムで働いた時の生涯に渡るロスを考えるとメイドを雇った方が良いと。全てが損得勘定でうんざりしましたが、言っている事は正しいので受け入れてフルタイムで働き始めました。

 

意に沿わない感じで始まった夫婦フルタイム生活ですが、夫の考えに合わせてやってみる事で、私はたくさんの事を学ぶ事が出来ました。

 

一つは、自分は男女平等な人だと思っていたけど、心の底では結婚したら夫に養って貰いたいと本当は思っていたんだという事。

 

もう一つは、実際に自分の稼ぎが完全に戦力としてカウントされる事で、普段男性が感じているのであろう家計に対する責任感をすごく感じるようになったんです。


パートでと考えていた時は、主な出費は夫で、自分のパート代は自分の物を買ったり家族のレジャー費に使ったりと思っていたんですが、それって家計を負担する覚悟が全く欠如している考え方ですよね。そういう事に気が付きました。

 

男女平等と言いつつ、男性の補助的役割に甘んじて責任を放棄するズルさが自分の中にあったんだなと。


もちろん専業主婦も大変な仕事なので、金銭云々でなく家での仕事や子育てに重きを置く考え方にも賛成です。自分は働く父と専業主婦の母の間で育ったので、それはそれで素晴らしいと思うんです。


でも夫の考え方を知って合わせてみる事で、違う視点で働き方について考える事が出来きました。

 

そしてフルタイムで覚悟を持って働くという、男性が特に日本の社会で感じているだろう気持ちに気がつく事が出来ました。これまで考えた事もなかったので。

 

日本では働き方改革について議論が盛んですが、女性の働きやすい職場は男性も働きやすくなるべきで、女性が社会に進出するという事は、これまで男性が一身に担っていた家計への責任を男女で一緒に負担して行こうという流れでもあると思うんです。働き方の意識改革でもあると思います。


男性だけ、女性だけに偏っていた負担を平等に背負う事でお互いの辛さを分かり合え減らしあえる、そういう変化になって欲しいと思います。